自分を見つめる〜志望理由ってなんだろう?

 10月も半ばを過ぎ季節が急速に変わっていきます。今年も、受験生たちが志望理由書などを準備する時期になりました。

 新型コロナ禍で地球規模で一変した社会経済環境。そんな環境下で、『自分の「将来」を見据えて「志望理由」を述べるなんて、神様でもなければ無理じゃないの!?』という具合に、こちらも、例年とは異なる心情を抱きつつ生徒たちと向き合っています。

 ともあれ、自分の来し方・行く末を客観的に見つめて、所定の文字数にまとめる、という例年通りの作業をサポートする日々です。こんな作業は小学生でも高校生でもたいていみな、初めての経験です。みなの本音を言えば、漠然とした憧れ以上のものではない志望校に書類審査つきの入学審査枠があるから、とりあえず書類を作成して応募してみる、というスタンスに過ぎません。それを、「貴校はIT学習環境が優れている」だの、「貴学は履修カリキュラムが優れている」だの、受験生にわかるはずもない理由を書きならべるだけでは、金太郎飴作文に飽き飽きしている審査官の先生方の目には、「はい、さようなら」の志望理由書にしか映らないでしょう。

 結局は、自分という存在を第三者の眼で客観的かつ冷徹に分析・解説してみせることと、第一人称で人の世に対する愛情や貢献の意欲を熱っぽく語ることの二つを、バランスよく書き揃えるに尽きます。受け入れる側は、「その生徒」「その学生」がどんな人物なのかを知りたいのであって、自校のHPや募集要項に書いておいたようなことはどうでもいいですものね。

 強さも弱さも含めて自分を見つめる。こんなことは、誰もがやらずに済ませたいことのはず。でも、この作業を通り抜けたとき、生徒たちの顔には自信を湛えた晴れ晴れとした表情が浮かんで見えるのです(私だけの錯覚??ではないと信じますが)。

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