入試の時季はこれでいいの?
今年のセンター試験も全国的に雪、名古屋も二日間とも今季初の積雪を記録しました。
例年つくづく考えるのは、なぜ、誰のためにこの季節に入学試験をするのか?ということです。世界的にもあまり類を見ない豪雪国である日本で1月、2月といえば、沖縄を除き全国で積雪の危険性が少なからずあります。特に都市部で一旦積雪を記録すれば陸路も空路も混乱し、一生に一度の入学試験の会場にたどり着けるかどうか、ただでさえ不安な受験生に余計な不安を与えることは必至です。ましてや、インフルエンザやノロウイルスなど重症になりがちな体調異変のリスクも極めて高いのがこの季節です。リスクマネジメントの見地からは、この時季に重要なイベントを避けるのが妥当な判断だといえます。なのに、一生を左右する大学受験をこの時季に集中させている現状は、極めて非合理的です。
入学試験後の一般的な大学は、3月下旬までに合否を出し入学手続きをし4月初旬に入学式をし、4月下旬までにガイダンスや履修登録などすませるや、いきなりゴールデンウィークに突入。本格的な授業開始はGW明けなのではないでしょうか。であれば、厳寒期の入試のリスクを避け3月センター試験、4月入試と入学手続き、GW明けに入学、と変更しても学業の遅れはほどんど生じないのではないでしょうか。この意見に対し、年度をまたぐからダメ、という反論も聞こえてきそうです。ですが、大学入試は、あくまでも入学希望者のためのもの。事務処理上の節目に過ぎない年度を墨守するために厳寒期入試を避けられない、というのは本末転倒に思えます。逆に、センター試験を11月〜12月へ前倒ししようという議論もありますが、授業進度の速い中高一貫校ばかりを利する前倒し論には肯首できません。
誰のための入学試験なのか、今一歩踏み込んだ議論がなされてこの憂うべき現況が改善されることを切に望みます。