まさかに備える

仲秋の名月を鑑賞した後なのに、36度越えの酷暑が続きます。先月までの夏休み中にも、何週間も続く体温超えの殺人的猛暑、南海トラフ地震臨時注意情報の発出、お盆真っ最中と8月最終週に台風襲来、とよくもまあ次々自然災害に襲われるものだ、と驚いたのは私だけではなかったでしょう。
 私自身、旅先のホテルで設備に落雷があり夜9時頃からチェックアウト直前まで13時間余の停電に遭遇しました。室内電話やWi-Fiはもちろん、スマホも繋がらずいつ復旧なのかもさっぱりわかりません。真っ暗な中、することもなく不安と暑さでろくに眠れず夜を明かしました。幸い、停電直前に部屋のお風呂に入り残り湯があったので水洗トイレに使ったり、持参したiPadの画面を懐中電灯代わりにしたり、普段は持たない扇子をたまたま持っていたりと、最悪の事態は避けられました。ともあれ、現代人の電力依存体質をイヤというほど痛感するまさかの出来事でした。
 東日本大震災のときは「想定外」という言葉があちこちでまかり通りましたが、もはや「想定外」という逃げ口上を使える時代ではないです。広域災害の場合、どこかから助けが来るとも限りません。あらゆる不測の事態をとことん想定し尽くした上に、徹底して「備える」しかないのでしょうね。厳しい時代です。

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