もし世界大戦が起きたらどうなるのか

  イスラエルとパレスチナのイスラム組織ハマスとの軍事衝突発生から10日が過ぎました。ガザ地区住民の人道上の危機など、事態は悪化をたどる一方なのに、即時停戦を求めるべき国際連合安全保障理事会では、対応を巡り決議が割れてしました。この先どうなっていくのかとても心配です。
 なぜ戦争を始めてしまうのかは、究極的には為政者の性としか言いようがないとしても、当事国でない国々が一旦自国の利害などを傍に置いて、危機に瀕する住民へ人道上必要なことを即座になすことを、人類の理性は求めているはずです。ウクライナ戦争に関して未だ解決の道が拓かれないうちに新たな紛争が起きたことで、第三次世界大戦へのおそれも現実となった気がします。台湾や南沙諸島を巡る中国と東南アジア諸国との軋轢も不気味です。仮にそこでも紛争が起これば、日本に直接火の粉が降りかかってくるでしょう。
 もし第三次世界大戦が始まったとしたら、日本はどうなるのでしょう。日米同盟の立場からは米国の陣営に組み込まれるのは必至でしょう。しかも安倍内閣時代に解釈変更された集団的自衛権行使の要件が揃ったとして、自衛隊の海外派遣がなされ、敵方陣営との直接衝突も起きるかもしれません。そのときには、少なくない日本の若者が犠牲となるはずです。今の日本で、わが子、わが孫が、戦争の犠牲になり得ると想像できる人が果たしてどれだけいるでしょうか。それだけではありません。エネルギー資源や食糧の価格は激しく高騰し、円安も相まって国内はあっという間にどん底に陥るでしょう。いつまでも穏やかで安全、と信じ込んでいた日常が瞬時に消え失せ、子どもたちを始め市井の民はみな塗炭の苦しみを味わうことになります。
 想像するだに恐ろしいこの惨事を、どうにか食い止められるのは国際社会の協調しかありえません。日本人としてではなく、地球に生きる者として、今起きている紛争への向き合い方が問われています。今こそ、子どもたちの未来のために国際協調に命を賭けられる為政者を国民が選り抜かねばなりません。ここが有権者としての正念場だと思います。

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