教育改革時代に合う「良い教材」「良い塾」ってどういうもの?
明けましておめでとうございます。旧年中の格別のご愛顧に対し、心から御礼申し上げます。本年も宜しくお願いいたします。
間もなく、あと2回限りの大学入試センター試験を迎えます。その後始まる共通試験も2回の試行試験を終え概略が見えてきました。マスコミなどでは思考力・記述力の重要性が叫ばれています。そして、その対策講座や教材の宣伝に塾業界全体が躍起になっているといったところです。
いつの改革でも、案外見かけの変化が大きいだけで最も重要なことは不変です。それは、原理・原則の理解です。教科・科目・分野に関わらず、その原理・原則がどのような発想で発見されたり導出されたりしたか、その部分を疎かにしては学習体系が構築できません。疎かにすると、得点力アップのためには小手先のテクニックに走らざるを得なくなり、「改革」のたびに右往左往しなくてはならなくなるというわけです。教材でいえば、実は最重要なのは教科書です。どれだけ教科書を理解し尽くすかがカギとなり、教科書レベルから系統立てて思考を発展させてくれるような教材が「良い教材」と言えます。ついでに言えば、それを実行できるのが「良い塾」と言えます。
原理・原則の理解にもっとも大切なのは、母語での理解力です。その原理・原則の説明が文章で書かれていれば読解力と言えます。また、日常の現象に即した説明であれば身体的体験がとても重要だと言えますね。つまり、幼い頃から文字文化にどれほど親しんだか、どれほど五感を使った多様な体験活動をしてきたか、の2点が決め手となってくると考えます。そして、それを支える知的好奇心が自由に育つような、大人に過干渉されない環境の重要性も痛感します。