緊急閉館5日目の朝「世界恐慌」

 愛知県下に発令された「緊急事態宣言」に基づき、緊急閉館してから5日目の朝を迎えました。東の空は鮮やかな朝焼けでした。天気が下り坂に向かう兆しでしょうか。

 今朝の新聞には「世界恐慌以来 最悪の不況」の文字が。歴史を学べば必ず知る「世界恐慌」。国際社会はその後の混乱を収められず、「ブロック経済」や「ファシズム」を生み、ついには第二次世界大戦へ突き進んだ、という経緯とセットにして私たちは記憶しています。戦後人々は、東西冷戦や地域紛争を経ながらも、基本的には国際協調路線でどうにか世界大戦を回避しながら75年間やってきました。それが、経済的要因ではなく微小なウイルスの跋扈によって「世界恐慌」に陥ったというのです。歴史は繰り返す、との箴言がありますが、ではこの先に第三次世界大戦が待ち受ける運命の必然なのでしょうか。

 いえ、歴史から学ぶ、とも言います。過去の苦い経験や痛恨の出来事は、必ず教訓となって後に活かすことができます。約90年前の失敗から学んだことを、今こそ活かさなくてはなりません。最悪なのは、歴史からロクに学ぼうとせず、思考停止に陥ったり近視眼的に場当たり的に振る舞うことです。

 誰のどんな人生にも、理不尽な状況にひっそりと堪え忍ぶ雌伏のときがあるはずです。世界全体が雌伏のときに巡り合ったのかもしれません。対立ではなく連帯しながら、自分の責務を放棄せず少しずつでも果たしながら、この雌伏の時期を耐える。その時期が終われば至福の時代が待っているはず。今朝の朝焼けの空をそういう希望の灯に見立てて、子ども達の顔を見られない今日もなんとか前向きに過ごそうと思います。

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