山 笑う

例年より寒かったのか暖かかったのか、よくわからなかった冬がようやく終わり、春本番がやってきましたね。満開の桜の下でのご入学、ご進級おめでとうございます。
先日、里山の間を縫うように走る列車に乗ったときのことです。車窓から山あいを眺めていると、樹木が、枝だけなのに花芽や葉芽が今にも開きたがってうずうずしているかのように見えました。確かこんな情景を表す言葉があったな、なんだっけ??と考えることしばし、、、ああ、そうそう「山 笑う」。春の季語です。まさに、クスッと笑うのを懸命にこらえている少女たちのようなのです。言葉の表現力って本当にすごい、おもしろい、と実感する瞬間でした。ちなみに、夏は「山 滴る(したたる)」、秋は「山 粧う(よそおう)」、冬は「山 眠る」だそうです。私のような山好きでなくとも、思わず「お見事!」と言いたくなりませんか!?

教室でも、子どもたちが日々言葉の学習に励んでいます。今ちょうど、進学や進級の喜びを分かち合うと同時に、愛らしい小学1年生たちを迎える、まさに宝物の季節です。悲しみや苦しみを生む刃の言葉でなく、宝石のようにキラキラ輝く幸せの言葉をたくさん身につけてほしいです。教室の一人ひとりにとって、笑いにあふれる宝物の学年のスタートでありますように。

前の記事

争いの果てにある愛